眠りたい私
やや

受話器を先に置けなかった 三年前
今では先に切りたくて焦燥


ツーツーツー ただの電子信号が
あなたの鼓動に思えていました


手を繋ぎ 温度を感じてふと訪ねる
ねえねこの手 どこで買ったの


レッテルを貼られて 何とか一人前
ハンディ引き連れ 今日も虚勢はる


型破り 型にはまらない私だと
誉められて いえ、型知らずなだけ


蛍の光 誰かが口笛 吹いていて
迷っていても 家路を急ぐ


上書きばかり 個別保存が出来ません
だから私 寂しくないの


去っていく人の上にまた会っていく
人が重なり 埋まるキャンパス


泣く習性 なくなり 泣くが分からなく
なって今では 鳴いてばかりだ


活字中毒 読んでばかり
都会に文字酔い 吐いてばかりいる


話すたび あなたの事を知っていき
知っていくたび 分からなくなる


真面目です 時々狂う私です
それでもありのまま 居てもいいですか


春が来て花に瞳を奪われれ
ふわふわ蝶になれればいいのに


珠に傷
シミもあります
欠けてます
それでもいいと
滑る唇


夢 野原 人成らざるもの 遠くから
押し寄せ私ひとり眺める


君の肌 君の髪の毛 君の声
君の瞳と 君の心と


背後から 抱きついたまま黙ってる
眠りたい私 眠れない君


短歌 眠りたい私 Copyright やや 2010-06-19 22:45:30
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