かさね
はるな


曇天を 背にしてみている つめたい戸

後ろ手に 鍵盤鳴らす 午後の2時

なめらかな 白い手にさす 慾と情

氷水 とけきるまえに 果てる夢

汗ばんで 覚えた匂い 青畳

ひとすじの 紫煙に過去を おもいだし

手をついた 前も後も わからずに

首筋の 香る夕方 眼は冴えて

すれちがう様に触れ合う さみしさよ

日は暮れて ひとみの熱も 暮れてゆく



川柳 かさね Copyright はるな 2010-06-17 18:54:47
notebook Home 戻る  過去 未来