20cmのはみ出し
ベルヤ
傲慢を隠し持って
80センチメートルの高さから引力に引き寄せられ転落して
右の額と頬骨は優しさを誇示し脳をまもって
真っ暗な無痛の感覚から小さな円が拡大して
モノトーンの視界に色をつけ出して
首が妙な物でおおわれ固定されて
固定観念が少しだけ壊れて
車いすで運ばれて
夜中も翌日も次の日もじっと辛抱して
痛みに耐えた時に痛みに耐え続けていた人を悼むことをして
こんなことにならなければ分からないなんて
傲慢だ
傲慢だ
傲慢だ
ストライキする身勝手な脳を恨めしく思って
顔面の腫れと傷は治まるが首が治める頭の方向性が戻らなくて
そのまま傲慢は隠され固定観念は壊れたから身勝手
それだけのひととなり陳腐なことだと思考して
不自由なこころの持ち主となって
失うことへ恐れを抱かない傲慢な人間関係が残って
天井の星の図を見つめちっぽけなことだとゴロリと寝転んで
はみ出してみたいと焦がれて
もう一度万有引力に引っ張られることへ方向性の傾いたままの頭で省みて
やり直してみることにした傲慢を隠し持って
1メートルの高さから引力に引き寄せられ平行を目指し翔てみて