口ずさんだ歌を聴かせて
かんな

いえない
瞬間の幾ばくもない
はじまりの景色をみている
あなたと
あなたの埋没したいちぶ

いつかの話をすると
やさしさと平行した姿がみえる

反映した
二度目のきせつに
いえない三度目のことばを
重ね、かさねる
推敲をくりかえされた
はじまりのどこかに潜む
、おわり

さびしいほどに
甘えあってしまう理由がこぼれる

もうすぐ近く
あたりまえに見えるいのちに
触れたゆび先
数えるように折り曲げられた
朝のひかり

ひとって
ひとりって
と口にして疑問符をなげてしまう

反射、そして
間に合わないことを
告げるしらべ
はしる、わたしが
追いつく、あなたの
表面化されたいちぶに
このかなしみと寸分かわりがない

いつか愛するほどの価値とであったなら

いえない
、とあなたが言う
水平線でまたゆうひが止まる
ながされてゆく
降り続くやわらかな傷みに
おわりをさがして

あなたが、まだひとり
口ずさむ歌がきこえないから



自由詩 口ずさんだ歌を聴かせて Copyright かんな 2010-06-14 17:09:43
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