ジューン・ブライドだね
チャペルの外は太平洋高気圧
反射がすごいね　気絶しそうだまばゆい純白
ブーケを抱えて大切そうに
まるで貴女は幸せの女神様（Ｇｏｄｄｅｓｓ）　おめでとうお姫様（ｐｒｉｎｃｅｓｓ）
晴れの日の乙女（ｎｙｍｐｈ）　一番美しい妻（ｗｉｆｅ）　とわの誓い（ｖｏｗｓ）
鼻の頭にほんの僅か汗かいて
ライスシャワーの後には披露宴、二次会、理念上の
初夜・短い口喧嘩
人生最高の一日はまだ長い
この佳き日を境に言ってはいけないひと言を歳々
胸にわだかまらせて行く女（ひと）
七五三の頃からタキシードや羽織袴が頼りないように
ふつう傍らの男ってのは多くを約束できないもんだ
青いガーターベルトの存在意義が箪笥に無いように
放恣に輝かしい女ほど、生活に苛立ちそそけてしまう


鬱蒼たるあの杜の中には人魚姫がいる
昔むかしはシンデレラと呼ばれたけれど
口が利けなくなった肢のないお姫様がね
それでも娘を一人産んだ
おむつかりの、悲しい顔をする姫を
（内親王と定義されるのだ）
そのティアラにも沈黙が課せられている
（女帝問題；　悠仁親王誕生と同時の棚上げ、暗黙裡の解決）
やはり沈黙が課せられている
笑顔で衆生に手を振るよう強要されるだけ
外つ国のＢｌｕｅ　Ｂｌｏｏｄ，“Ｄｉ”も“Ｆｅｒｇｉｅ”も
アカプルコもドディ・アルファイドも
“Ｔｈｅ　Ｄｕｃｈｅｓｓ　ｏｆ　Ｃｏｒｎｂａｌｌ”式もない
ここはお雛祀りの国
皇孫だけが蝶よ花よを許されない現代とは何
あの方達は籠の鳥　センチュリー・ロイヤルの静やかな走行
千代田区、葉山、那須、須崎、軽井沢プリンス
“国の象徴”なる自己価値は個人にとって何
公人でしかあり得ない個人の、一生涯の制約　　あるいは逼塞
禁裏　八咫鏡　剣璽　平成三十二年　祭祀　御名御璽　日本國
水無月　文月　葉月　長月　神無月　霜月　師走　睦月　如月　弥生　卯月　皐月　
水無月
衣替え　父の日　明月院と紫陽花、入雨と蝸牛、蛞蝓と毛氈苔　
足利尊氏気取りの百日天下が諄諄と