「スワローテイル」
ベンジャミン

まるでスワローテイル

君はいつも強がってばかりで
悲しいことを悲しいようには言わないから
いったいどれほどの悲しみが
君をそんなに強くしてしまったのかを考えてみた

そんなある日
隣に座っている君が
複雑な笑みを浮かべて何気なく呟いたこと

つかみきれないそのセリフが
まるで宙返りするように聞こえたとき
その円の大きさが
君が抱える辛さのように思えた


(スワローテイル)

頑張って笑おうとするほどに
君の背中から影のようなしっぽが伸びる


(スワローテイル)

それをつかまえようとしても
君は笑ってかわそうとするけれど


(スワローテイル)

そのとんがった弱さが目の前を横切るたび


(スワローテイル)

この腕の中で休ませたくなる


(スワローテイル)

幼さを隠すように背伸びする


(スワローテイル)

君をつかまえられたなら


(スワローテイル)

もう一つの空へかえしてあげよう


自由詩 「スワローテイル」 Copyright ベンジャミン 2010-06-06 18:13:15
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