指でつくる言葉
朧月

大空に手を伸ばす
太陽でこの手を焼くために
ほしいほしいほしい
私は全てのまっとうなものがほしい

備わっていないものをほしがり
すでにあるものをみないで
それらは
当たり前に動くから
当たり前にそこにあるから

まっすぐに伸ばした腕は
短く その短さに驚き 気付き

まわりをみると
みな静かに息をしていた
吐いては吸うその動作に
理由という文字を見つけることで
費やす時間を
無駄というのなら
この先に自分がつくる言葉たちが

私の呼吸のどんな役にたっているのかを
文字によって伝えて
それを私であることにしたい

朝に包まれて
私は景色に潜む文字を掴まえる



自由詩 指でつくる言葉 Copyright 朧月 2010-06-03 06:44:27
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