何かを欲する
番田 

何にもなくなっていく手で
何かしらのものとして掴もうとしている
私は元気な気がさせられていた
多分疲れてなどいないのかもしれない

窓を開けて外を眺めさせられていたのかもしれない
私とは一体どこなのだろうと思う
風の流れの中なのかもしれないのだと
走っていくものとしての電車を見つめている

流れていく景色はそこにあるのだと
漫画のようなものとして開いている
音楽のようなものとして聴いている
弁当を食べているのかもしれなかった
釣りではないのかもしれないのにしている

私は歯磨きをしたばかりだ
たぶんそうではないのだと洗濯物を取り込んで
今日の私にはありもしない車に乗り込むのだ



自由詩 何かを欲する Copyright 番田  2010-06-03 01:52:45
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