スピアーズ
ハイドパーク

いんざ だーくないと

背後からふくらはぎを
長い槍で突かれた
二の槍 三の槍飛んできて
背のドラゴンタトゥーの
両目を貫いていった
標本の虫みたく
アスファルトに磔になった

俺を狙う組織の構成員は
全員俺の知り合い
口々に
騙されただの
期待はずれだの
裏切られたのと
四の五のさえずってる

悪餓鬼に捕まり
拷問される蛇よろしく
ぼろ縄のように
身を捩りながら
喚き散らした

「そっちが勝手に盛り上がっただけ。」

その返事は
漆黒の天を覆う
幾千の槍となって
次から次へと
この俺に降り注いだ

頭を駆け巡る
血の流れのように
電気仕掛けの滝のように
止めどなく
この俺に降り注いだ

・・・はずだった

違うだろう
奥さん
何もなかったかのように
無視されただけ
けど
そんなこと言えない
ああ
静かだね
プライドが許さないの
奥さん
ゲヘ ゲヘ
今日はとても寒いね
手もみでもしようか
ゲヘへへ
それでね
いいでしょう

奥さん



自由詩 スピアーズ Copyright ハイドパーク 2010-05-28 18:24:05
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