木漏れ日カメラ
ベンジャミン

レンズの先
逆光が眩しかった
それ以上に、ああそうだ
季節の躍動感が眩しかった
シャッターをきるようにして
日々がめくられてゆくなら
その少しの変化を刻んで
残してゆこう

刹那は
そうやって記憶になる

光は線ではなく
たとえば木々の隙間を
埋めつくすほどの集積だ
過去という時空から放たれたものが
今こうして私をつらぬいている
それがやさしい木漏れ日で
どんなにあたたかでも
痛いほどの感動だ

手のひらをかざして
そんな林道を歩いてゆく

光と影を交互に感じながら
私はそれを言葉にすることを忘れ

ただ夢中になって

光と影が交互にすり抜けてゆく体に
自分が生きていることを感じていた



自由詩 木漏れ日カメラ Copyright ベンジャミン 2010-05-26 15:06:22
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