箕面の伯母
森の猫

箕面の伯母とは
友人のように
何故か気が合う

先日も
久しぶりだったので
2時間も電話してしまった

伯母は
母の兄の連れ合いだから
実際の血のつながりはない

だが
幼い頃
母から
聞いた

おまえは 大阪の伯父さんの
子どもになっていたかも
しれなかったんだよ

子どものいない伯父夫婦は
妹のところに男女の
双子の生まれたことを
知ると

是非に おんなの子を
ほしいと申し出たというのだ

母は即座に断った

男女の双子は
複雑だ

小さい頃は
子犬のように
じゃれあって暮らしていたが

自我がめざめると
互いが競争相手のように
なってしまう

両親の愛を奪い合う
相手

今でも変わらない

兄はいつでも
あたしのほしいものを
先に母から 奪っていく

ふたりなのに
ひとり

やんちゃで
ガキ大将だった兄に
いじめられると

いつも
あたしは
思った

大阪の伯母さん子だったら
よかったのに

病弱な伯母は
一昨年大病をして
そのとき
来てくれたのは
連れ合いである
年老いた 伯父だけだった
と つぶやいていた

もしかしたら
もしもなら

あたしと伯母が親子に
なっていたら

病室で姉妹のように
きゃっきゃと
話し込んでいたかもしれない

そんな思いがよぎった

母とは昔から性格が
正反対で随分と
表には出さない
反発心や違和感を
覚えていた

今も母には
兄がいちばんらしい

顔も性格も似ている兄が

伯母も70を越えた
元気なうちに
ゆっくりと会いたい

昌子伯母さん
あたしは

とても 近しく思っているよ


自由詩 箕面の伯母 Copyright 森の猫 2010-05-25 02:22:49
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