切断
小川麻由美

とある日
 
郵便受けに入っていた種
石灰と肥料と期待を土に混ぜ込み
成長を見守る

木の葉を器用に全身に巻き
住居と食料を兼ねる
木はやせ細り
わずかばかりの蕾を儲けた

ふいに咲いた花は黄色から桃色に移行し
温度計が短くなる頃には
白いふわふわが世界を覗き込む
茶色と白のコントラストの乾いた木 

ぽきり



自由詩 切断 Copyright 小川麻由美 2010-05-22 00:53:58
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