柔らかな爪
朧月

なにかが襲ってくるような
想いにとらわれるとき
僕の心の中にある悲しみが
また成長する気配がする

敏感な部分に
触れると知りつつ
それがヒトのものなら
僕らは割と平気だよね

指の爪がのびてる
きっと触れると痛いんだよ

赤ちゃんの皮みたいな爪の
頃の自分になりたいね
どうして今は殻みたいに
血ぬれる切れ味になってしまったの

襲われて消えてしまうなら
その方がいいけど
侵略されて 僕があなたを
襲うのならば戦うよ

僕の赤い爪は
もう今日 切り落とすから



自由詩 柔らかな爪 Copyright 朧月 2010-05-21 10:53:11
notebook Home 戻る