オレンジ
伽茶
小さな缶に
思いを小さくして
詰め込みました
ぎゅっと
ぎゅーっと
ぎゅーっぎゅーっと…
詰め込み過ぎたので
もう一つ缶を作りました
もう一回り大きくして
これで収まらなかったら詰め込むのすら止めて
抑え込むのは辞めようと思いました
六年間詰め込んで
収まりきらなかったので
諦めるのを辞めようと
君にドップリ浸ろうと
君の町に行く切符を買いました
財布は空っぽです
ドップリ浸って
君の町に置いて帰れば済む話だと
奮発した矢先です
拒絶体制の君からメールが着ました
缶は一瞬で散らばり
新たな思いも散乱して手が付けれません
買ったばかりの切符は
思いが晴れるばかりか
痛々しく私の傷に塩を塗ります
ドラマでみる紙袋いっぱいのオレンジが
坂道をコロコロと転げ落ちていく気分です
ここまで来たら一瞬で時を止めてもらえたら…とさえ思います
これが私の心情で
運命のイタズラとさえ感じるのです
昔から無責任な君ですから
そんな事すら考えてないのでしょう
そんな現実も
受け入れようとしている私にも
嫌気すら感じるのです