奏者
木立 悟



咲くものを追い
影は葉のように落ち
描かれた歌を隠した


ふと混じりあい
ふと離れ
振り向き
微笑む日


影は速く
光は遅く
まわりつづける


雲より低い空の内へ
風は銀を蒔いてゆく
器が
まなざしが
満ちてゆく


まぶしい
まぶしい音を手にするとき
受け入れる指の
ひとつひとつがひらかれ
静かに  静かに
十二絃の夜に触れてゆく





自由詩 奏者 Copyright 木立 悟 2003-10-07 20:45:03
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