5.15

曇り空の下を歩く人々がいる

それを見ている視点はまだ迷っている

彼なら今をどう語っただろうか
この先をどうノートにしたためただろうか


何にも変わらない
希望のあとの絶望って深い
誰も傷つけたくないのに
日々の痛みに耐えられず泣く

この町にも

金網の向こう側にも
見知らぬ島にも
まだ見ぬ国にも

大切な人がたくさんいるというのに


先生

どうやらまだ帰れそうにないみたいです
傷は傷のまま深く残り
何が辛くて何が恩恵なのか
私を含め多くの兄弟達はもうよく解らないまま

握った拳だけがただ痛い


五月に雨が上がらなくとも
いつか晴れる日が来ればいい





自由詩 5.15 Copyright  2010-05-15 14:03:03
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