いちばんたいせつな
唐草フウ


ゆびでそっとふれる
ふかふかしたものが
やがてしぼんで
くたびれて横たわる
むなしさをむねにしまう
かなしさを昇華する

 垂直にいきたものは
ささえあってこそでしょう
あなたの誕生日があった四月を
           忙しさでふきとってしまっていた

つんでつんで集めた 
庭のあたたかさを
水のなかに納めて
こらえ方も知れずゆれている
水のなかで弔って
引き上げて
それをまた垂直に
寝かせたまま それぞれを恋しくも思わず
 次の色を広げるでしょう
この手で捨てはらう

わたしはわがままに、このとまり目に 伝える
どうか流してほしい 流れてほしい
そんなにたいせつなことではないから
同じように眠っている





自由詩 いちばんたいせつな Copyright 唐草フウ 2010-05-11 19:57:57
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