共有 1
すずき はな

これからいろんなことを「共有」したい、とあなたが言ったので、
ためしに桜を一緒に見てみた。

あなたの何かがわかるかもと思いひたすら桜を見ながら10キロも歩いた。

でも私にできたのはたくさん歩いたという「思い出」であって、
何かの「共有」ではなかった。

あなたがしたいのは思い出づくりなのかと問うと
冗談じゃない、思い出づくりになんか興味はないと言われた。

「だけど桜をみたことは間違いなく共有なんだ」

私に見つけられたことは、
「共有」について考えている時間を共有していたという事実だった。


自由詩 共有 1 Copyright すずき はな 2010-05-07 21:56:31
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