『シミ』
あおい満月

ぽつり、
胸に落ちた赤い雨を撫でる指先
午後の木陰が揺れる
冷えていく風
歩いてきた道を振り返る
真珠色の太陽が
かくれんぼをする雲の袖

刹那に覗く白い世界に目を閉じると
ひとつの季節を終えた翠の骨の欠片が
瞼にあたり
現と幻想の境界線を響かせる

浅い眠りは
ひとときの風の戯れのあと

赤い小さな染みの
小さな部屋が
水の浴みを

待ちわびる



                    2010.5.3(Mon)


自由詩 『シミ』 Copyright あおい満月 2010-05-03 19:39:05
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