永遠のとば口
kauzak

涸れた港を見下ろす丘の上
にある廃墟のような酒場で
俺は飲んだくれている
のかすら分からない

ただまどろんで

きしむ壁をすり抜けて
吹き込んでくる風に
震えているのか

ストーブには火が入っている
はずだ
なのにどうしてこうも
震えが止まらない

そういえば
俺は誰を待っているのだろう
誰に話しかけようと
まどろみから浮かび上がったのか

蕩けそうな陽射し
反比例するように張り詰める大気
涸れた港ばかりクッキリとしている

地平線のような水平線の彼方
古き良き時代の貨物船が
座礁している

あの船におまえは乗っていた
俺が待っているのはおまえなのか
まどろむ前の記憶が霧散して
何もかもが曖昧なのだ

今日が今日である
ことが不思議なのだ


自由詩 永遠のとば口 Copyright kauzak 2010-04-24 23:56:33
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