夢の中
寒雪



あなたはね

きみに枕詞付きで
色々なことを決め付けられるたび
ぼくは
その日の夜
夢の中で
きみを殺していく
夢の中に現れるきみは
ゾンビより強くて
倒しても倒しても
夏に
生ごみにたかるショウジョウバエのように
次々と湧いて出てくる
それでもぼくは
ありったけの力を振り絞って
きみを打ち破る
一仕事終えて
意味ありげに空を見上げると
完璧なまでに
雲一つない青空


でも
いつもいつも
そこで目が覚める
横には
寝息を立てるきみの姿
悪魔のような寝顔を横目に
朝が訪れるのを恐れながら
大きく深いため息をついた


自由詩 夢の中 Copyright 寒雪 2010-04-23 10:22:10
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