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中原 那由多

オレンジ色の明かり、ガソリンスタンド
不確かなテリトリーに取り残された
野良猫の輪郭を浮き彫りにした

初対面のエンジン音たちに
どこか癒される自分がいて
つい、声無く笑ってしまった


投与したカプセルには
当然のように中毒性があり
心地の良い電子音に依存している

秘密基地に憧れたのは十年前で
ロフトに横たわるこの時間は
まるでそれを実現したよう

どちらも現実逃避ではないけれど
空いていた穴は塞がっている


最寄り駅まで歩いた
電車には乗らないけど歩いた
絡み合った個性は破天荒で
少しだけ、そこへ染まって
すぐに抜け出して明日に期待する


ないしょ話に掛かったモザイク
興味もないからどうでもよかった

何色でもない箱を手に入れて
膨らんだ希望だけを詰め込むのは勿体無いから
カタチある夢を探そう
僕らはそれを求めて
あるいはそのものになろうとしてゆくのだ




自由詩 1K Copyright 中原 那由多 2010-04-21 10:52:21
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