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美音子
境界線は 一体 何所へ
時は意味を見失い 空気中に溶け込む
目に見えぬ場所へ 姿を隠す
捉え処の無い 視界が広がる
足元を見下ろすと 漆黒の闇が 表情も見せずに
こちらを見上げ 大きな口を開き 笑っている
刹那の狭間 肌を掠める 恐怖感と虚無感
言葉さえも 呼吸さえも その存在を殺す
瞳の奥を覗き込むと 骨と肉の香りが漂う
遮るものは何一つ無いが 触れる事は許されない
44の形が 幾度となく 空を舞い 粒子となる
遺されたものは 闇に飲み込まれ 朽ちていく
繰り返される 旋律だけが 確かに在り続ける
浅はかで愛おしい記憶は 望む事を知らないまま
全てを見失い 二度とその目を開こうとはしない
そして 終わらない夢の果てで 儚さを知る