いとしきのぞみ
くれいじー・こすぎ

何なんだこの世の中は
還暦を過ぎても子ども手当てを貰い
自己弁護の最中にマンションを購入し
子分をどこへでも連れ回すチンピラばかりが目立ち
ドランカーに登校拒否に坊主の女と
訳の分からぬまがい物が重宝されてしまっている

絶望した!
築き上げてきた常識や良心を金銭に置き換えて
世相を単純二分化に誘導する権力者
権威を隠れ蓑に庶民ぶっている小金持ち共
自分の都合を世論と名乗るのはもう辞めろ
俺達はもっと自分を大切にする事で
周りに歓喜と感動を起こすべきなんだ
自分の意見が大勢と違う事を良しとしない
少数意見を叩き潰して意のままに

絶望した!
貴様等が楽をしたいばっかりに
ろくに指導も報酬も与えずに自分に従えと圧力をかけて
顔色一つで右往左往させるのを鼻で笑い
情熱を破壊に結び付かせぬ為の道徳を
会社内にねじ込む事で革命の芽を摘んで
常に相互監視、臭い物に蓋、連帯責任
象徴を絶対的威光と洗脳されているにも拘らず
見捨てられた神々の戯れに踊らされる
この素晴らしき大和民族に

絶望した!
健康で文化的な最低限の生活を達成する為に
二時間ちょっとのおしくらまんじゅうを日常に課され
帰宅後にする事も指示を徹底させ
それでも手取りで残るのは雀の涙だから
閉じる事で支出を抑える事を余儀なくされている
そうした中で更に空気だの付き合いだの増税だのを強制し
生活からの彩りを加える手段を凝縮させてしまっている
前向きに生きるという事は大事だし
人は前しか見えないはずなんだ
なのに足元や後ろめたさを鏡に映すように
自己否定を促す論調にはもううんざりだ
この世の中に俺は絶望した!
完全に絶望した!

だけど俺はこのまま生きていく
いや、この世の中を生ききってやるんだ
俺は詩で、この声から出ていく詩で
世界にビートを刻んでいくんだ
ロックの様にいつまでも鳴り止まない音を発信するんだ
人がその人らしく生きていてほしいから
人の温かさや優しさを知っているから
それが、愛なんだ
俺達のDNAがずっと引き継いできた愛なんだ
愛こそが俺達の希望なんだ
ここに立って放つ言葉が愛で希望なんだ
そんな世の中、日本国に
俺は
絶望
しない・・・


自由詩 いとしきのぞみ Copyright くれいじー・こすぎ 2010-04-18 23:09:02
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