記憶の場所
ミツバチ

幼い頃何度も遊んだ
川の上流
大人になっても
いまだに何度も夢に見る

里帰りをしたとき
久々に行ってみようと思い
散歩道がてらにあの場所へ
田んぼの中を歩いていく

吹き抜ける温かい風
鳥の鳴き声が響き
可愛いれんげには
蝶々が舞っていた

蘇る幼い日々
家族みんなで遊んだ
あの場所
足取りも軽く鼻歌まじりに
心弾ませて向かってみれば
辿り着いた先は…
貯水地に変わっていた
あの頃の面影は何処にも無い



寂しかった
こんな田舎なのに
月日とともに変わるなんて

昔の記憶と重ね合わせられず
悲しみを抱えたまま
私は貯水地の前に
ずっと立ち尽くしていた


自由詩 記憶の場所 Copyright ミツバチ 2010-04-17 22:19:32
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