内海の道
within

瀬戸内の海辺からは
ぼんやりと霞んで
青い島々が見える
潮が満ちてくる頃には
波に防波堤が
飲まれそうになることもあるが
それでも
外海や日本海の波に比べたら
穏やかなもので
停泊する漁船たちも
どこかやさしい

海鳥の鳴く声が
しじまを破る時
たわむれに歩く男の影に
陽が射す

まだ釣り人が訪れるには早い季節
ゆっくりとした満ち干が
魚群を誘い
港のにぎわいがやってくるまで
海への道は
孤独の人のものである


自由詩 内海の道 Copyright within 2010-04-16 20:28:37
notebook Home 戻る