泣くつばさ
umineko

コウちゃんはどうも
歌うのが苦手らしいと聞いて
ギターを抱えて
コウちゃんのところに行く


行ってはみたものの
お互い知ってる曲というものが
実はないのだ
君が代、とか
それは論外
忍タマの歌など昔
聞いていたような気もするが
なにそれ?と冷たく却下

ああ
これはどう
「翼をください」
これはいいね
あー学校でも歌った、かも
じゃあ決定

最初はミの音から入る
これこれ
今ーって、ミ・ソーって感じで
いいやん
みんな出かけてるんだし

今ー
…いまー
なんかあってないなー
もいっかい
…いまー
うーん

ん?

みると
コウちゃんはボロボロ泣いている
ヒトの話を
大体1割しか聞かないような少年が
ボロボロと壊れたように泣いている

今日は
調子悪いんだー
またにしよっか
…ウン

たかが歌だ
だが
そのために流す涙を

口惜しさを
表出させて生きゆく意味を

忘れずにゆけ

君を
幸せにするかどうかは
それはわからないけれど

少なくとも
ボク的には
それは二重丸の生き方

がんばれ
  
  
  


自由詩 泣くつばさ Copyright umineko 2004-10-03 23:42:36
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