つぼ
アンテ


おとうさんが
とてもおおきなつぼをもらってきた
かぞくぜんいんで
おおさわぎしながらいえにはこびこんで
りびんぐのすみっこをかたづけて
なんとかおくことにせいこうした
きれいなもようがかいてあって
みているだけでうきうきした
いったいなにをいれようか
とあれこれはなしあってみたけれど
なにしろつぼはおおきすぎて
ぴったりなものはおもいつかなかった
でもまあ
きれいだからいいんじゃない
おかあさんがぱちんとてをたたいた
よるになって
おふろのあとにぎゅうにゅうをのんで
はみがきをして
おふとんにもぐりこんで
じっとねたふりをしていると
いもうとはすーすーねてしまった
じゅうにじをすぎるまでがまんして
こっそりりびんぐにおりていくと
まっくらなやみのなかに
つぼはじっとたっていた
しんちょうにいすをはこんで
どきどきしながら
つぼのなかへはいろうとすると
もうすでにせんきゃくがいた
あら ひろこちゃん
いっしょにはいりたいの?
うなずくと
わたしをなかへだきおろして
おかあさんはくすくすわらった
わたしもくすくすわらった



自由詩 つぼ Copyright アンテ 2004-10-03 01:53:25
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びーだま