女神は死んだ
白昼夢
わたしの国では、女こどももいくさへ行ってしまう
みぶんとかよくわからない
わたしもいずれたたかいに行くのよと言われていた
おしろに火がまわってまっかになってしまったあの日
わたしは怖くておにわへはしった
たいせつなともだちといっしょに
大好きだった赤い花のところにかくれようとした
だけどとげがあって、すごくいたかった
それでも、たくさんの人がこっちへはしってきたのが見えて
とげがひっかかってたくさんちがでた
ともだちの体も、とげでぼろぼろになっていた
ひとたちがとおりすぎるのをまって、そこでじっとまった
だれもいなくなったと思って、そこからにげようとおもった
花のはっぱのところからでたとき、あしおとがきこえた
ふりむこうかと思ったけれど、わたしの体はもううごかなかった
ふとい木の矢がささっていた
たくさんちがでて、わたしは赤い花のうえにたおれた
だれかのこえがきこえた
わたしでさいごだとか、いきのこりはいないとか
ころしてしまってはいみがないだろ、とか
こわい人はわたしのそばにきて、ともだちをけっとばした
ともだちはころがっていった
うでがとれたり、みみがなくなっていた
てをのばそうとおもったけど、てがうごかせなかった
わたしのたいせつなともだち
おなかのなかにかくしてあったきれいなゆびわが見えた
こわいひとはそれをとって、もっていった
ゆびわなんていらない、ともだちをかえして
すこしくらいのけがならなおしてあげられるけど
もうわたしにはなおせない