朧月

私の皮膚に
とても近く触れて雨がある
どこからきたものか
わからぬ雨がある

ところで
どこからきたものか
知っている君からの便りは
私からこんなにも遠い

遠い君を想う
今 雨に濡れながら
私は確かに生きているのだろうか
梅の古木の時の中にまぎれて見えている
幻でないとだれがいえるだろうか

空を割って
雨をつくりたもうヒトの
その膝にすがり
雫へと砕いて欲しいと
叫んで雨を浴びる

君の便りを
持つ私の指よりも確かな感覚で
降る雨を 受ける



自由詩Copyright 朧月 2010-03-24 20:38:59
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