溶けてく腐水
嘘而

透明な紅茶に火を燈す
うすぐらい部屋は
広大な宇宙のように
ぼんやり、笑い
オーケストラの 心地よい重力に
白々しく嘘を吐く
2人の少女は 冥王星をみつめ
いつかあそこに住もうと
征伐される
征伐される
うすぐらい部屋は
広大な宇宙のように
静かに、死ぬ

ひそひそ ひそひそ
2人の死体は冷やかに
病原菌をつくりはじめる


自由詩 溶けてく腐水 Copyright 嘘而 2010-03-24 17:18:55
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