ミネ

まよいあぐねてたどりついたは
もりよりふかくかくれた麓
かわやきやはたけがありのままにほうちされ
わきみちにあるふるいじぞうがぶきみにほほえんでいる麓
そこの麓びとらはみないんきにこちらをみやる
としよりもみないんきくさくわらったりする
こころがせまいのではない麓がせまいのだ
そらだけがひらけているので
やまとやまのあいだがどうしようもなくせまいので
いんきくさくひかりかげっているのだ
こみちにはおだやかなかぜがふくようであるがしかし
しずけさのます麓のみちにかぜはつめたくふきぬける
わたしのかたやこしをなぞり
においをかぎつけたいぬのようにそってとおる
わびしみのようにつきささり
かなしみのようにほねにしみる

まよいあぐねてたどりついたは
もりよりふかくかくれた麓
なぜこんなところへきてしまったのか
みしらぬだれかのうつくしいはいにでもいるような

はやく麓をぬけでたいのに
こどもらがわたしをかこみわらべうたであそぶ
むじゃきにわらいつながれたてのかこいから
うたごえだけがひらけたそらへかさなりぬける
かみしばいでみたようなあかいゆうぐれに
麓のまっかなあぜみちに


自由詩Copyright ミネ 2010-03-23 17:27:09
notebook Home 戻る