深い夜2
within

虻が一匹
蛍光灯に
絡みつく
飛び回る
明滅する光に
狂乱しているのか
落ち着くことなく
重くなったり
軽くなったり
僕の周りの重力は
気まぐれに変わる

差し伸べられた眠りに
こんな暗い夜に産まれた子供は
きっと梟のように
森に住むのだろう

呼んでいる
呼ばれている
森の底から
響く啼き声に
聞こえるのは
暗い夜に産まれた子供たち

遠い山から
呼ぶ声だけが聞こえる
彼らは決してやってこない
迷い子が子供だけとは
限らない
無人のホテルに
灯かりがともる
静かな夜に道が現れる
迷い子が子供だけとは
限らない

こんな暗い夜に産まれた子供は
梟のように
深い森の奥に住むのだろう


自由詩 深い夜2 Copyright within 2010-03-23 05:55:31
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