スクランブル交差点
ルナ

あなたはカラスは可哀想だと言う
黄色い色が見えないから
菜の花畑の心地よさがわからないと
黄色に指定されたゴミ袋を見て言うんだ

はじめから見えないモノ
知らないモノ
それがわからなくても
ただ普通の日常を過ごすだけ
私にもまだ
見えないモノがあると思うのだけど

見えるモノに惑わされて
何処に行けばいいのか
それを見失うことが
今の私にとって一番怖いこと
それは
スクランブル交差点の真ん中に
ぽつんと立った時の孤独感に似て
どちらを向いても青い光が
こっちにおいでと手招きしている

上を見上げると
ぽかんと開いた青空が
あなたの笑顔に似ているな
なんて
そんな事を考えていると
自然と笑顔がこぼれていた

私は交差点を渡る
はぐれないように
白い縞模様を踏みながら
チビの私は少し大股に
風が気持ちよかった

今日の夜
おやすみなさいのメールをあなたに送ろう
眠りにつく前に
おやすみが言える人がいること
それは確かに現実で
大切な事





自由詩 スクランブル交差点 Copyright ルナ 2010-03-18 12:40:28
notebook Home 戻る