血族の晩餐
やぶさめ


嗚呼なんと悪戯な
バッカスの酒を呑ませたのは
貴方だと云ふのに

非現実でしか無くても
全て覚えておきたひと云ふのに
忘却の彼方へなど寄越したくは無いと云ふのに


其の眼球も
耳も
鼻も
唇も
腕、指先、足、胴体
其の艶やか髪の一本一本に至るまで

総てを記憶しておきたひと云うのに



朝がくれば非現実でしかない
此の現実は消えてしまふのですか


自由詩 血族の晩餐 Copyright やぶさめ 2010-03-18 02:03:18
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