変身
朧月

私は誰かになりたくて
なりたくてなりたくてたまらない
のに だれにもなれない

私は 同じ私でいることさえできない
この瞬間にも別の私になっている

記憶の
なんと曖昧なことか
心の
なんといいかげんなことか
私だけか

すきであったものさえ
どうでもいいと思うことは
雪が融ける様に似ている
温度が とどめないカタチをおし
流してゆく
空気までも
別の世界をみせて
ただ 息をはいて すって

この目から確認できるもの
耳から感じるものは
現実か 

過ぎ去る時間を追いかけて
とどめない心追いかけて
正義をふりかざし うたう
なんと罪なことだろう

正解が
あると信じることこそ
正解が
無いと思う心のあらわれなのに



自由詩 変身 Copyright 朧月 2010-03-11 09:34:45
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