春・雑感
within

横断歩道で飛び跳ねていたら
ユーウツに
アタマシバカレタ

歩道橋の上から
唾を垂らせば
いかめしい車達の頭に
反旗の鉄槌が下る

もうそろそろ青虫がサナギに成る時間だ

春のワイ雑な思念が
新しい異形を連れてくる

カラカラと骸骨が嗤っているよ

蹴散らして 喚き散らして
酔いどれていたら
蠅の王がやってきた
新しい異形を連れてやってきた

リタリンあるよ、と
タンポポが微笑み
黄色いユーウツの水溜りに
真っ裸になって潜れば
日向の縁側に
青蛙がまどろんでいた

春の雨の壁を飛び越えて
ぶよょぶよょと電線が鳴る町を
闊歩する馬に乗る少年は
僕を無化してしまう(むかつく)

春風に躓かないように
新しい異形はユーウツと少年に
おたまじゃくしを渡した

僕の手のひらの
底の浅い沼に彼らは棲んでいる


自由詩 春・雑感 Copyright within 2010-03-08 10:04:53
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