唾液[Lie]
嘘而

その一瞬,細胞は淡くぽたぽたとした音をたてる
途端,宇宙は消滅する
そうして,

いつも通り
なんのまえぶれもなく,わたしはぬるくなったお風呂に入る
誰かの唾液みたいにべたべたしてて,
吐き気が襲う
吐き気
吐き気
おきにいりのパーカーに着替えて,透明,透明。


長い休みに入ってもやることはなく
わたしの嫌いな色をした薬を,
1日に何百回も飲み込むだけ。
苦い
この感情は,
甘い

でもね
だいじょうぶ,生きる理由がなくても生きるしかないんだから


もう,いいの。
嘘つきな饒舌も,曖昧な毒舌も,もう,いいの。

ありきたりな言葉でごめんなさい
わたしは,あと少しだけ,あなたの出す空気を吸っていたい




自由詩 唾液[Lie] Copyright 嘘而 2010-03-03 19:34:23
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