恋の色
夏川ゆう

山頂に登れば見える恋の色星の光と混ざり合う愛

梅雨入りし届く葉書を湿らせて滲む言葉に哀しみ宿る

一言も話そうとしない今日の君香水だけが何かを話す

夢の中離婚のことで話し合う浮気相手の影が染みつく

降る雨が明るい気持ち削ぎ落とす水玉模様の傘は喜ぶ

全身に麻酔をかける手術前切り離される意識は何処へ?

雨の日は水色の花咲き誇る魔法にかかった心が痒い

君からの手紙の文字が面白い気持ち次第で書体が変わる

夕暮れの花屋で光るユリの花君の笑顔があの世で光る

リハビリを途中でやめるお年寄り心と体対話してない


短歌 恋の色 Copyright 夏川ゆう 2010-03-01 17:15:10
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