恋の色
夏川ゆう
山頂に登れば見える恋の色星の光と混ざり合う愛
梅雨入りし届く葉書を湿らせて滲む言葉に哀しみ宿る
一言も話そうとしない今日の君香水だけが何かを話す
夢の中離婚のことで話し合う浮気相手の影が染みつく
降る雨が明るい気持ち削ぎ落とす水玉模様の傘は喜ぶ
全身に麻酔をかける手術前切り離される意識は何処へ?
雨の日は水色の花咲き誇る魔法にかかった心が痒い
君からの手紙の文字が面白い気持ち次第で書体が変わる
夕暮れの花屋で光るユリの花君の笑顔があの世で光る
リハビリを途中でやめるお年寄り心と体対話してない