指先
たもつ
身体が温かくなる
身体が柔らかくなる
私は自覚する、
私の挨拶を
葉の裏をスカイ
色をした特急列車は走り
指からの分泌物で
私は窓ガラスに
ひとつだけの
さよなら、を描く
そして走る
やめて、
走る
自らの中を自らの中で
真っ直ぐに直線
街がまた夕暮れに満たされ
夕暮れが身体に満たされる
頃になると
葉は不在の言葉となる
役割を終えたステイションが
安らかにざわめき始める
指先の中へと
先へと
自由詩
指先
Copyright
たもつ
2010-02-26 20:35:26
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