蝸牛
ゴースト(無月野青馬)
抉る子供
服は赤く
鼻を啜る
抉る子供
涎拭い
母親を
見つめている
赤い服で
森へ入る
口を開けて
空へ昇る
口を閉じて
消灯の無い世界に
漠然と不満があって
服が赤いことに鼻を曲げて
歩道橋を爆破する願望の
代わりに自分の耳を抉る
抉られた耳は蝸牛のようになり
捩れている、ヌメリと
空へ口を大きく開けて
(抉りながら)昇っていた子供は
予期せぬ亀裂の入った雲に
久しぶりにヒヤリとして
口を閉じて
幼稚園のバスを待つ
森の入り口で
まだ倒れている
母親を
無視しながら
抉りながら