海岸のひかり(イパネマの娘)
吉岡ペペロ

ぼくらは海岸沿いのバーで飲んでいる

昼間から飲めるような身分なのは

ぼくらが考えることを仕事にしているからだ

海岸のひかりのなかに

いつもの女の子があらわれる

彼女は母親のタバコを買ってきえてゆく

まとめて買わないのは

ぼくらに気があるからに決まっている

微笑んでみえるのは

ひかりのせいだけではないだろう

彼女がきえると

茶色い孤独が目のまえに浮かんでしまう

タバコがどれだけ幸福なのか

ビールがどれだけ美しいのか

ぼくらと彼女だけが知っている

ちいさなピアノ伴奏で

ボサノバが奏でられている

イパネマの娘だ







自由詩 海岸のひかり(イパネマの娘) Copyright 吉岡ペペロ 2010-02-24 01:12:00
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