妹と
番田 

シャツの向こうに
妹が誘い込んでいる
くれたものを
浸しに出かけた
そこかしこに千切って
散らばるのだろう
道路の中に

向こうにあるものを忘れたまま
赤ん坊のよだれになってみたかった
取り損ねて標本のサメを
土産物屋は霞んでいる

えくぼの微かなニキビにそびえた
薄いシャツに
注文も言わないだろう
わからないけれど
素敵でいればいい

待っている浜辺にボートが来る
うさぎをカサカサと
つむじはひれ伏すのか
しびれがしたのは
唇だろうか


自由詩 妹と Copyright 番田  2010-02-22 00:23:59
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