ミツバチ

両手で涙の濃度を測る
海のように青ければ
静に底に沈めて
波を立てるのは
好ましくないよ


言葉で
自分を繕う度に
命は海のような鼓動を
繰り返す
数えきれない程
子宮の中に注ぎ込んだ
心の奥底の思いは
どれも実を結ぶ事なく
また一人になってしまった


記憶が波にのまれていく
ポケットは
濡れた砂で一杯で
冷えた指先を
温める場所は
何処にも見当たらない


泣かないよ
代わりに空が
泣いてくれるから
ぽっかり開いた
心の穴は
海水で満たされて
僕は滲むように
この世界に溶けていく


自由詩Copyright ミツバチ 2010-02-21 23:50:59
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