海底
一酸化炭素

さあ 泣きなさい

ここなら涙も見えぬから

(赤い目元は見ないであげよう)

さあ 言いなさい

ここなら言葉にならぬから

(溢れた想いは天に向かう)

さあ 眠りなさい

ここでは世界は見えぬから

(見上げた空は歪んでた)

宇宙で涙は流れない

 けど

その存在はあり続ける

それすら認められぬこの場所で
貴方は何を想うのか


 なにもかもを捨てて

逃げ込んだこの場所で

貴方は何を見たのだろう


 それを伝わる言葉さえ

気泡となり 弾けとんだ


さあ 目を閉じて

ここなら誰も来ないから

光でさえ届かないから

生命が生まれ朽ちゆくこの場所で

眠りなさい


(廻り そして 還る)









自由詩 海底 Copyright 一酸化炭素 2010-02-21 00:47:40
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