それだけのこと
ありす


中学校に入ったばかりの時は
今よりももっとずっと真面目だった

ある理科の時間
四人グループのなかでひとりだけ女子だった

不真面目な男子は
わたしのセットした道具をバラバラにして
遊んでた

真面目なのが原因か
男子に注意したところ

「真面目すぎんだよ」

「だから女子って嫌だ」

授業終了のチャイムと共に
我慢していた涙がどっとあふれ
強く握り締めていた手に
大粒の滴がこぼれた


私も悪かったのかな。
不真面目になった今を振り返り
そう思うようになった




自由詩 それだけのこと Copyright ありす 2010-02-20 21:33:09
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