新生
寒雪


両足を
地面にしっかり
踏みしめるための儀式


自分が
生まれて以来
住み続けたこの家に
ガソリンをまいて
火をつける


炎は
勢いよく
天に届くほど
高く
火柱が上がるのが良い


写真アルバムだとか
仏壇だとか
割れかけの茶碗だとか
みんなみんな
灰になって
跡には
後腐れなく
何もないのが良い


真っ新な大地に
むき出しで
空っぽで
透明になった
これからの僕がいるのだ


自由詩 新生 Copyright 寒雪 2010-02-20 20:18:45
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