一所懸命
蒲生万寿

逃げようにも何処にも行けないことを知った日

此処にとどまり静かに深く考えてみるべきではないかと今更ながらに解った

私は何も考えてはいなかったようだ

自分を観察する事を怠っていた

逃げる事だけを考え また逃げ切れると思っていた

間違いはあまりにも大きすぎた

池にほうり投げた石が沈み底に落ち着く事の解り易さを忘れていた

何処にも行けないなら ひたすらとどまれ


自由詩 一所懸命 Copyright 蒲生万寿 2010-02-20 18:55:24
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