「首都高に入りました。」
カーナビは言う
しかしここは国道16号線だ
100m先のマクドナルドのドライブスルーの
マックシェイクストロベリーの匂いがそれを証明してる
おれは盲目だが嗅覚には自信が…
「地震だ!」
突然生放送のラジオは大騒ぎを始めた
揺れがおさまるまでの7分間騒ぎ続けた
遊園地のビックリハウスみたいに
オレは思った
こいつらはきっと世界が終わるとき、
真っ先に犯罪行為に走るタイプだろうな。
(noise―√)
一分間のノイズのあと
ラジオはニュースキャスター風の声に変わり震度5を告げた
確かに凄い揺れだった
どうやらオレのカーナビは「地震」を「首都高」と認識したらしい
何故そう思ったかというと
地震による激しい揺れがおさまったとき
今度は「一般道に入りました。」と言いだしたからだ
だが
おれは盲目のまま走りつづけるしかない
100m後方からパトカーのサイレン音が聞こえるからだ
おれは盲目だが聴覚には自信がある
終わり
(地震で目が覚めた朝は、地震の現代詩を)
(この物語はフィクションです。)
2010年02月17日05:44