ジャジーの頃
番田 

何もない通りを流れていく
歩きながら見ていた 窓だけが
存在していたことを すべて忘れたようだった
爽やかな匂いが漂ってくる 今日の思いの中だ

淡々と いつもその場所にあったかのように
めくるめく流れこむ色が 短編集をめくるみたいで
晴れ渡った空だった 反射する絵画に 休日なのだが
今日も誰とも会う気すらしない

平日にしても だんだん気力すらなくなってきた気がする
女の子と手をつなぎながら 橋を渡っていく
街に行く そして革ジャンを探して
流れた 雪の混じった世の中に 降りしきっている

中学生のジャージを着ていた過去だけが とても苦しい
少々照れくさかったのだ
派手な縞々のスカートをまとった子と行く記憶は 寂しい感じがする
失踪した兄と喧嘩した部屋は どこだったろう ただ
知ってもらいたいだけだから
こんな詩を書いてしまうのも 仕方がないのだ


自由詩 ジャジーの頃 Copyright 番田  2010-02-16 01:22:17
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